Group Formation

グループ形成の法則性

В.В.Гуленко, 1998 · Socionics of Small Groups

グループは一瞬で生まれることもあれば、「一つひとつの煉瓦」を積むように組み上がることもある。本稿は、ヴィクトル・グレンコが1998年に提示した集団形成の力学——二者から三者、そして七者へと段階的に成長する過程——を軸に据え、社会心理学の小集団論とソシオニクスの関係理論を接続して、機能する集団がどのように育てられ、設計されうるかを描く。

00
概観
Two Directions of Formation
集団はどちらの方向へ
組み上がるか
Overview
形成の二つの経路
小から大へ、あるいは大から小へ

集団形成の運動には二つの向きがある。小集団から大集団へ向かう道と、その逆に大集団から小集団へ向かう道である。グレンコが扱うのは前者——構成員を段階的に量的に増やしながら、内部の関係ネットワークを少しずつ調整していく道筋だ。こちらは目的的に「形づくる」ことができ、制御性が高い。

後者は逆の発想による。群衆という大きな塊の中に、時間とともに自然発生する下位集団(グループ分け)を見守り、最後にどの集団にも収まらなかった者だけを切り離していく。だがこの方法では、前者のような意図された形成性と管理可能性は得られない。本稿はもっぱら前者——「煉瓦を積む」道——を辿る。

Precondition

前提条件 — 誰を入れないか

チームビルディングの過程には、性格が極端に偏った人物(アクセンチュエーション)を最初から含めないことが必須条件となる。すなわち——あまりに社交的な者と極端に閉じこもる者、妥協を知らぬ真理探究者と徹底した迎合者、地に足のつかない夢想家と凝り固まった唯物論者。これらの両極端は、関係ネットワークの自然な編み目を破ってしまう。

理論的基盤への接続:ここでいう「アクセンチュエーション」は、リチコの性格強調類型に由来する。強調そのものは病理ではなく個性の変異だが、集団の編成段階ではネットワークの調律を妨げる要因として働く。
01
ダイアド
The Dyad · 2 persons
温室の苗のように
「育てる」最小単位
The Dyad
二者の力学
組み立てられない、ただ育てられる連結

小集団はダイアド(二者の連結)から始まる。これはチームを「組み立てる」際の素材となる最小単位だ。しかしダイアドだけは、後続の操作と違って技術的に「組み立てる」ことができない。温室の苗のように「育てる」ほかない。理由は単純で、二者関係においては主観的・情緒的な要因が、客観的・理性的な要因を上回って支配するからである。

対が成立するためには、二つの問いを解かねばならない。

第一の問い — 相互の牽引

両者が互いに惹かれ合うこと。これはリアリー(T. Leary)のいう「友好の動機」であり、モレノ(J. Moreno)のいう「相互の情緒的選択」にあたる。集団形成の非公式(インフォーマル)な側面だ。ここで働くのは反対物の牽引——情緒的な者は中立的な者へ、ロマンティストはプラグマティストへと引き寄せられる。

人がパートナーを選ぶとき、しばしば唯一の基準とするのは外見であり、あるいは生活様式や習慣が自分と似ていることである。だが実際には、類似は関係を築くには役立っても、それを継続し深めるには不十分だ。深化には補完性(дополнительность/complementarity)が要る。多くの組織が一面的になり、初期の効率をすぐに失ってしまう一因は、人が「自分に似た者で周囲を固めようとする」自然な傾向にある。

Similarity vs Complementarity

類似は出会わせ、補完性は持続させる

類似(外見・習慣・生活様式の一致)は接触のきっかけを与える。しかし長期にわたって関係を支え、共同作業を生産的にするのは、互いの弱点を補い合う補完性である。チーム編成はこの原理の上に立つ。

第二の問い — 主導と被主導

一方がリーダー(主導)の役を、他方が被主導の役を引き受けること。これはリアリーの第二の動機——関係における支配性——であり、集団形成の公式(フォーマル)な側面を支える。

もし両者が対等で、固定したリーダーシップが存在しなければ、対は「カプセル化」する——外部に閉じ、外からの課題に応答しなくなり、ただ自己再生産を繰り返すだけの閉鎖系になってしまう。逆に主導から被主導への向きが定まったとき、ダイアドは初めて外へ向かって拡張的に振る舞うエネルギーを得る。

主導 LEADING 被主導 LED 補完性 + 支配性

Dyad — エネルギーは主導から被主導へ一方向に流れる

そして集団の真の統合は、何よりもまず参加者の共同活動の中で実現する。図式(言葉)の上で対を作っても、ともに手を動かす過程を経なければ、ダイアドは生きた単位にはならない。

02
トライアド
The Triad · 3 persons
テーゼ・アンチテーゼ
・ジンテーゼ
The Triad
三者への拡張
分極が生み、連結者が束ねる

ダイアドに加わる三人目は、被主導者の競争相手であるべきだ。似た者どうしの反発がここで作用する。すると二人は「主導者により近い位置」を巡って競争を始め、その結果としてリーダーシップが固定される——なぜなら、間に立つ参加者が連結者(связник)へと変貌するからだ。

トライアドでは、似た極どうしの反発と、両者の第三者(リーダー)への相互牽引とが合わさって、安定した分極が生まれる。これは弁証法のよく知られた図式——テーゼ・アンチテーゼ・ジンテーゼ——をそのまま実現したものであり、明確に目的へ向かうエネルギーポテンシャルを持つ。

連結者という役 — 課題型と人気型

集団を率い、結合させる連結者には、どんな要件があるか。社会心理学者ベイルズ(R. Bales)は、リーダーを二種に分けた——課題型(ビジネス)リーダー人気型(情緒型)リーダーである。これをタイプ論に移すと、次の配置が導かれる。

トライアドの二人が倫理タイプであれば、連結者は論理タイプでなければならない——これが正常な「課題型リーダーシップ」の状況だ。逆に両端の二人が論理タイプであれば、連結者は必ず倫理タイプになる——「人気型リーダーシップ」の状況である。被主導者はリーダーより一段下に位置し、両端は中央に対して左右に振り分けられる。

課題型リーダーシップ

論理 倫理 倫理 連結者=論理

課題が非人格的・技術的なとき、論理タイプが連結者となり、二人の倫理タイプを束ねる。

人気型リーダーシップ

倫理 論理 論理 連結者=倫理

人間関係を基盤に動くとき、倫理タイプが連結者となり、二人の論理タイプを束ねる。

なぜ四者ではないのか

四人目を加えると、集団はより安定するが、より生産的でなくなる。集団は外向きの課題ではなく、自分自身のために回り始める。四者には閉じた回路が生じ、焦点化されたリーダーシップが消えて、分散的・リレー的なリーダーシップに置き換わる。

Odd vs Even Structures

奇数は発展し、偶数は安定する

偶数構造(広くは「四・六・八…」)は安定化には優れるが、発展への特別な刺激を生まない。それらが競争力を持つのは、拡張の目標が後景に退き、平穏と整合の価値が前面に出る、集団の成熟した後期の段階においてである。逆に拡張期には、分極とリーダーシップが明確な奇数(三・七…)が推進力を持つ。

03
セブン
The Seven · 7–8 persons
連結者の連結者が
束ねる二段構造
The Seven
七者集団
接触集団の自然な上限

さらにもう一層を積む。二つのトライアドを統合するには、もう一人の参加者——下位のリーダーたちを調整する役を担う者が要る。いわば「連結者の連結者」だ。ここから、キャリア成長についての一つの法則が導かれる。最適なのは、垂直のキャリア(下位の職位から上位へ昇る)を、水平のキャリア——同等の職位だが別の類型的環境へ移る——で補完することである。

L 連結者の連結者 E E L L L L 連結者 連結者

Seven — 二つのトライアドを上位の連結者が束ねる二段構造

接触集団の限界とアッシュの同調

七〜八人が、接触集団の数的な限界である。接触集団とは、コミュニケーションが「顔と顔を合わせて」——頻繁に、そして深く——進む集団のこと。この境界を超えると、互いに調整しがたい志向を抱えた下位集団へと分裂する危険が増し始める。

心理学者アッシュ(S. Asch)が1951年に行った実験によれば、七〜八人の集団でこそ同調(コンフォーミズム)が最大になる。ここでいう同調とは、集団規範への自発的な追従であって、おもねりやへつらいではない。日本の管理者が、かの有名な「QCサークル(品質管理サークル)」を企業内でまさにこの人数で組むのは、決して偶然ではない。

全体リーダーをどう決めるか

二つのトライアドの連結者がともに倫理、またはともに論理であれば、セブン全体のリーダーを決める問題は生じない——反対方向の型がそれを担う。だが、一方のトライアドのリーダーが倫理で、他方が論理であったらどうするか。決め手はチームが解くべき課題の性質にある。

課題が技術的なら

目的が非人格的・技術的なものであれば、論理タイプが率いる方がよい。対象は仕事そのものであり、効率と正確さが問われる。

課題が人間的なら

チームが人間への志向を軸に、関係の上で動くのであれば、倫理タイプの方がより効果的なリーダーになる。

こうして完成するのが、二段階の管理システムである。これは十分に機動的で、拡張する課題に応答できる構造を保っている。

04
チーム設計
Designing & Launching
駆動力は罰ではなく
創造性
Building Teams
設計と起動
成り行きに任せれば、歪みは衝突として現れる

ここでいうチームとは、課題がばらばらにではなく共同で遂行される集団を指す。それは共同・逐次的な活動——自分の担当を終えたら次の者に順を譲る——であり、共通の目標だけでなく、行動の同期までを要求する。

構成員がそれぞれ単独で動く場合には、むしろ権威主義的なリーダーシップが適している。力による調整の方が適切で、さもなくば自己組織化に多くの時間を浪費してしまう。指示を速やかに実行させる能力が要り、緊張が危険な水準を超えたなら「スケープゴート」によって蒸気を抜く——もっとも、これは原始的な集団の常態である。成熟したチームにおいて駆動力となるのは、罰への恐怖(罰金・解雇・降格)ではなく、創造性(творческие достижения)そのものだ。

編成の手順

  1. 分析と棚卸し:手元にある類型構成を点検する。利用可能な人材から、補完性の原理に基づいてあり得るダイアドをすべて構成していく。これは時間のかかる、遅い過程である。
  2. 自己評価の面談:各候補者に三〜四のダイアドの人物特性を示し、関係システム内での自分の位置を評価させる。問いは——誰に従い、誰を率い、誰と対等か、そしてなぜか。適切に評価できたトライアドに、その人を組み込む。
  3. 上位リーダーの選定:形成された各トライアドのリーダーどうしで、同様の比較作業を行う。役割配分を期待に最も近く評価できた者が、第二段階のリーダーとなる。
  4. ソシオメトリーによる加速:ダイアド構成を速めるため、コミュニケーション訓練を行い、相互選択の対を社会測定法で抽出する。二人が第三者を選びつつ互いには無関心な「トライアドの芽」も即座に判明する。
  5. 二つのセブンの調整:続いて、二つのセブンを擦り合わせる、より高度な訓練へ進む。

The Second Limit

一四人の壁

セブンは二つまでが限度だ。三つ以上を束ねれば、小集団の第二の限界——およそ一四人——を超えてしまう。この規模になると集団はかなり不均質になり、グループ討議はよく進むようになる一方で、日常的・恒常的な共同の実働は不可能になる。

この複雑で時間を要する作業は、もちろん成り行きに任せることもできる。現実の組織の大半では、部分的に、あるいは全面的にそうなっている。だがそのとき、抑圧され歪められた自然な自己組織化の過程は、周期的で説明のつきにくい不調と衝突となって、必ずどこかで自らを主張し始める。

テイラリズムに極まる技術官僚的アプローチは、メイヨーの「人間関係の教義」に道を譲る。

— 課題への志向と、人間への志向のあいだで

とはいえ、経済関係の人間化への道のりはなお遠い。だから現実には、課題志向と人間志向のあいだの、ある妥協的な立ち位置が問われることになる。剛さと柔らかさのあいだの妥協の度合いを定めるのは、最終的にはリーダー自身——ポスト工業社会の価値をどれだけ受け入れる心理的準備があるかに応じて——なのである。

05
ソシオニクス的基盤
The Socionic Ground
なぜ「反対物の牽引」は
双対へ通じるのか
Socionic Ground
補完性と双対
グレンコの力学を関係理論で読み直す

グレンコが集団形成の鍵に据えた補完性(дополнительность)は、ソシオニクスの型間関係においては双対関係(Duality)に最も深く結晶する。Model K の相性体系では、双対は充足系ブロックの中核に位置し、快適度(COMFORT)は最大値の100をとる。ダイアドにおける「反対物の牽引——情緒的な者は中立的な者へ、ロマンティストはプラグマティストへ」という運動は、互いの価値機能が相手の弱点を補い合う構造として、ほぼそのまま読み解くことができる。

一方、グレンコのダイアドはもう一つ、主導/被主導の非対称を要求した。これは関係の快適さ(双対の対称性)とは別の軸であり、補完しあう二者のあいだの外向/内向、あるいは合理/非合理の差が、自然な主導性の方向を与えるものとして理解できる。「補完性」と「支配性」というリアリーの二動機は、ソシオニクスでは価値機能の補完気質・向性の差という二つの層に対応する。

自然集団 — 設計せずとも快適な単位

ソシオニクスには、わざわざ設計せずとも内的に調和する自然な小集団がいくつか知られている。グレンコの「育てるダイアド」は、これらの自然単位を素材として用いるとき最も効率がよい。

4
Quadra
同じ価値機能を共有する四つの型からなる集団。同一・双対・活性化・鏡像という快適な関係だけで閉じており、最も内的に調和した小集団をなす。
4
Club
研究・社交・人道芸術・実用管理の四領域。共通の関心の対象によって結びつく集団で、共同作業の土台を与える。
4
Temperament
柔軟操縦・受容適応・直線主張・バランス安定。グレンコ自身の理論で、エネルギーのリズムと配分を共有する集団。

とりわけクアドラは、グレンコの「四者は安定するが発展しない」という観察と美しく響き合う。四型からなるクアドラは、まさに平穏と整合の価値が前面に出る、完結した居心地のよい単位なのである。拡張を担う推進力は、むしろクアドラを超えて他のクアドラと交わる、奇数的・非対称的な編成の側にある。

小グループの形態学

グレンコが集団の動的な成長過程を描いたのに対し、レイニン(Г. Рейнин)は『小グループの形態学』において、その静的な分類を与えた。型間関係について閉じた——すなわち、内部のどの関係をたどっても集団の外に出ない——「全体的小グループ」は、全部で35存在する(グループ概論 §08 を参照)。それらは二つの下位クラスに分かれる。

同質グループ(15)

すべての要素が同一の型間関係で結ばれた集団。内部が均質で、関係の調子が一様に保たれる。

異質グループ(20)

複数の異なる関係が混在する集団。全体的小グループ内で結ばれる関係の数は三であり、ここから多様な交流の質が生まれる。

ブカロフ(А. Букалов)とシェフテルらは1988年、これら八つの小グループに具体的な課題を与えず、二〇〜三〇分の自由な交流を観察することで、各グループに固有の交流の調子(コミュニケーションの質)を記述した。レイニンの形態学が「どんな集団があり得るか」を、グレンコの力学が「集団はどう育つか」を語るとすれば、両者は静と動の両面から同じ対象を照らしている。

集団の統合型 — 誰が集団を保つのか

集団が大きく育つと、集団そのものが一個の人格のように、固有の統合型(интегральный тип коллектива)として振る舞い始める。ここでグレンコは鋭い区別を導入する。外向的ソシオニクスが「集団の中の人間」——遠いコミュニケーション距離、短時間の交流——を記述するのに対し、内向的ソシオニクスは「人間の中の集団」——近い距離、長時間の関係、本人の意思を超えて受け入れられた関係の規則に従う振る舞い——を記述する。

The Bearer of the Integral Type

統合型を担うのは内向型である

集団の統合型を主に保持するのは、外向型ではなく内向型だ——その集団に形成されつつある関係の体系を保存し、損傷を受けても構造を回復させる、内向的な核がそこにある。この核を欠いた集団は、報酬の分配のような局面で容易に亀裂を生み、やがて分裂する。グレンコの言葉を借りれば、その集団は自らの統合社会型を獲得できなかったのである。

こうして、グレンコの集団形成論は単なるチームビルディングの技法を超える。それは、外向型が拡張のエネルギーを与え、内向型が関係の体系を保存する——二つの向性の協働として集団を捉える、ソシオニクス固有の社会理論の一部をなしている。煉瓦を積むのは外向型の仕事だが、積まれた壁を崩れないように保つのは内向型の仕事なのだ。

References

В.В. Гуленко, Закономерности процесса группообразования, 1998, г.Киев
В.В. Гуленко, Менеджмент слаженной команды. Соционика для руководителей
Г. Рейнин, Морфология малых групп / А. Букалов・М. Шехтер, Малые группы в соционике, 1988
Г.М. Андреева, Социальная психология, 1996
T. Leary, Interpersonal Diagnosis of Personality, 1957 / J. Moreno, Who Shall Survive?, 1934
R.F. Bales, Interaction Process Analysis, 1950 / S. Asch, Conformity experiments, 1951 / E. Mayo, Human Relations
О. Крегер, Дж. М. Тьюсон, Типы людей и бизнес, 1995